シンポジウム
2021年(令和3年)2~3月Web開催
酪農現場のリスク管理を考えるⅡ-「暑熱」を考える-
主催者挨拶
雪印メグミルク株式会社 酪農総合研究所長 戸邉 誠司
皆様、こんにちは。雪印メグミルク酪農総合研究所の戸邉でございます。日頃より私ども酪総研の取り組みに対しましてご理解とご協力を賜っておりますこと、心より御礼申し上げます。
さて、昨年1月に初めての感染者が発見されてから1年以上が経過した新型コロナウィルスですが、この間、二度の緊急事態宣言が発令され、国民一丸となって感染抑制に努めてまいっているところですが、なかなか収束の方向には向いていないのが現状でございます。今夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催もどうなるのか大変危惧されますが、いよいよワクチン接種も開始されることでもありますので、早々に収束の方向に向いていく事を祈念するばかりです。
このような状況の中、今年度の酪総研シンポジウムはWEBでの開催という初めての取り組みにチャレンジいたしました。2月1日より講演録画を配信し、本日の総合討議をLIVE配信するというものですが、皆様のご理解の下、多くの方に参加申し込みいただき、誠にありがとうございます。
さて、酪農乳業の現状に目を向けますと、コロナ禍の中で牛乳・乳製品の需給は混乱に陥り、家庭内消費が拡大する一方、業務用需要の不振から乳製品の過剰在庫の問題が発生していること、TPP・EPA等の進展が国内酪農乳業へどのような影響をもたらすのか、先行きが非常に不透明であるなど、課題は山積状態です。北海道を中心に生乳生産が増加傾向にあることは喜ばしいことですが、業界全体で課題解決に取り組んでいき、酪農家が安心して生乳生産できる環境を作っていくことが重要です。
本年度の酪総研シンポジウムは、昨年からのテーマ[酪農現場のリスクを考える]の第2弾として、「暑熱を考える」をサブテーマとして企画し、都府県ならず北海道でも毎年のように直面している「暑熱」について、施設・飼養管理・繁殖管理面から生産性を維持する対策等について3名の先生の講演を、2月1日から3週間ほど録画配信させていただきました。
お一人目が、「暑熱対策(施設)とアシドーシス対策について」というテーマで、雪印種苗株式会社 営業本部 トータルサポート室 担当部長の 松本 啓一 様に、
お二人目が、「乳牛への暑熱の影響と飼料給与面での対策」というテーマで、ハードサポート株式会社 代表 村上 求 様に
三人目が、「暑熱期における繁殖成績改善のヒント」というテーマで、北里大学獣医学部動物資源科学科動物飼育管理学研究室准教授 鍋西 久 様にお願いしました。
既にたくさんのご質問を視聴者の皆様方からいただいておりますので、本日の総合討議ではいただいた質問に対して回答するという形で進めさせていただきたいと思います。その上で、お時間の許す限り、本日LIVEでご参加いただいている皆様方からのご質問・ご意見を頂戴したいと考えております。
シンポジウムの講演内容を着実な成果に結びつけていくために、本日ご参加の酪農生産者の方々、酪農に関わる関係者や研究者の方々など、生産現場に携わる皆様が連携し、課題解決の方策について、地域の仲間に、そして、これからの担い手にしっかりっと伝えていく事が、今後の酪農産業のさらなる発展のために重要なことであると思います。
私共雪印メグミルクグループにおいても、雪印種苗とともに生産者の方々と連携して進めている自給飼料の生産の拡大とその活用のための「実証圃場」や「経営実証農家」の調査研究、地域における牧草の植生改善などの取り組みを通して、微力ながら生乳生産維持のためのお手伝いができるよう取り組んでおります。
最後になりましたが、本日のシンポジウムが課題解決に向けての一助となる、有意義なディスカッションの場としていただきたく、皆様にお願いしまして、開会の挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
以上