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No.8 酪青研第31回海外酪農研修に参加して 北海道弟子屈町 吉田 雄貴

海外研修のメンバーとバドジョン牧場にて記念撮影 僕は実家に就農して2年目になります。小さい頃から共進会が好きで、その度に牛をリードしたりしていました。そして実際に海外の牛を見てきた先輩たちから「海外の牛はスゴイ!」と聞くたび、いつかは自分の目で海外の牛を見てみたいと思っていました。今回の酪青研(日本酪農青年研究連盟、長谷川行夫委員長)の海外酪農研修でその夢が実現できたのですが、自分でもこんなにも早く実現できるとは思ってもいませんでした。

  今回の旅行の日程は、アメリカ最大級の共進会・ワールドデイリーエキスポ視察のほかに、有名ブリーダー牧場を2か所も視察することになっており、楽しみは倍増でした。

 今回の旅行で最初に訪れたのはワールドデイリーエキスポ。ここではホルスタインの部を2日間かけてじっくり観戦することができました。初日は未経産牛の部門を観戦しましたが、その発育はすばらしく、コンディションもしっかり調整されているのがわかり、すごい牛ばかりに圧倒されました。これらの牛は日本で使われている精液と同じでしたが、あきらかにサイズが大きく、その違いに驚くばかりでした。翌日におこなわれた経産牛のクラスも、どの牛も乳房の付着が素晴らしく、体の幅もあり、産次を重ねていくにつれ体のサイズも大きくなり、さすがアメリカ! と日本との規模の違いをすごく感じることができた、とても見ごたえのある共進会でした。ワールドデイリーエキスポでは、共進会のほかにたくさんの酪農に関するグッズや機械、乳製品などの展示もあったのですが、僕はずっと共進会場に張り付いて、ずっと牛ばかりを見ていました。

レッドローズと一緒に写真を撮る筆者 ワールドデイリーエキスポ視察の翌日は有名ブリーダー牧場の視察に行きました。最初に訪れたローズデール牧場では、2005年のワールドデイリーエキスポで最高位を獲得したレッドローズと一緒に写真を撮ったり、パラダイスのクローン牛を間近に見ることができました。パラダイスのクローン牛は、腰角幅・坐骨幅がとてつもなく幅広く、体が雄牛のように雄大なつくりの素晴らしい牛で、雑誌でしか見たことがない牛をこれほど近くで見ることができたことにとても感動しました。そして、この牧場で実習している群馬県の酪農後継者の萩原さんが牧場を案内してくれたのですが、一頭一頭とても丁寧に説明してくれ、すごく充実した視察になりました。

  2か所目の牧場視察は、これも有名なブリーダー牧場として知られているバドジョン牧場。この牧場にはエレガンスのクローン牛が3頭いたり、今回のワールドデイリーエキスポの乳牛セールにて最高額で落札されたレッドマーカーデザイアも見ることができました。そして大きいはずの牛舎が小さく、狭く見えるほど大きなサイズを持つ牛ばかりがそろっている"素晴らしい牛群"の一言に尽きる牧場でした。視察の時間は約1時間でしたが、その時間ではすべてをじっくり見るにはとても足りるものではなく少々残念でしたが、記憶に残る視察となりました。

 牧場視察の翌日はロサンゼルス市内の観光をして帰国となりましたが、夢のような時間はあっという間に過ぎ、またいつもの生活に戻りました。しかし、今回の海外視察を経験してからは自分の家の牛を見る目も少し変わり、一頭一頭をしっかり見ることを心掛けるようになりました。アメリカの牛と自分の家の牛を比べると驚くほど差があることがわかり、帰国してから、あらためてすごいところへ行って来たんだなと思うようになりました。上には上がり、その上に少しずつ近づけるように、日々の牛の管理に改善を重ねていきたいと思います。

 牛乳の消費低迷により、僕の周りにも酪農をやめてしまう人が多くなっています。すごく残念なことですが餌代高騰で経営が苦しいのも事実です。これを打開していくには大変な力が必要になると思います。しかし、基本的に牛に餌を与え、牛乳を搾って、それを消費者に買ってもらうという構造は変わらないので、より品質の高い牛乳をたくさん搾るという目標は変わりません。

 「共進会は道楽」という人もいますが、僕はそう思いません。体型のすぐれた牛を作ることは、食い負けのしない、餌をたくさん食べることができる牛を作ることにつながり、泌乳能力に効果があるのは明らかです。また、共進会を通じて全国各地に仲間を作ることができ、さまざまな情報交換や談笑することで日々の牛舎の作業にも活力が湧きます。そして何より、共進会における牛の管理は最高のものです。普段の作業をできる限り共進会での管理に近づかせていけば、より品質の良い牛乳を生産することができ、経営にも反映してくれるものと信じています。

  だけど自分にはそんな技術もないので今は勉強する毎日です。いずれは両親、地元の人たち、全道や全国の人たちに追いつけるように頑張りたいです。