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広報「酪総研」

時の話題

No.25-5 意見交換

 

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《佐藤先生への質問》
質問: 土壌流亡に関する質問。流亡した際には、マニュアスプレッターで堆肥を撒いて播種するとおっしゃったが、土地の傾斜が強くマニュアスプレッターが上がっていけない所ではどう対処したら良いか。その時の播種量やお勧めの草種があったら教えてほしい。
回答: 浮き上がった有機物の少ない所と近隣の草が生えている所とを混ぜて、軽く表層攪拌して砂だけではない状態にして播種して鎮圧する。播種量は草地更新同様2kg/10a程度で良い。
質問: 飼料用トウモロコシで、リスクヘッジのために特性の異なる品種を同じ圃場に混播すると良い、と言われた。熟期(RM)が同じであればメーカーが違っても登熟の程度は揃うのか。熟期が揃わないと刈り取りの際に困ると感じた。
回答: 各社で出されているカタログの熟期(RM)は育成地のRMを使っている場合が多いので、それぞれ違いがある。北海道優良品種に関しては道総研が条件を揃えた“北海道統一RM”を計算して出している。それを使うと大きく狂うことはないと思うが、それでも開花期が少しずれたりする。しかし決してマイナスではなく、同じRMのものを使っても微妙に開花期がずれるので、開花期の際、海霧になると花粉が爆発して受粉が悪くなったりするが、開花期が微妙にずれていることによって受粉機会が増えるのでリスクヘッジしていると言える。メーカーが違う場合も統一RMを使って揃えた方が良いが、RMを同じくしておけば何とか出来上がっている事例はある。現在取り組んでいる「経営実証農家」でも2社2品種で取り組んでいるし、阿寒では4品種播種して正常に出来上がっているので、あまり心配は無いと考えている。それでも揃えることができるなら、その方が良い。

《伊藤先生への質問》
質問: エバーグリーンでは「ハレックス」の気象データサービスを使っているが、これは個々の酪農家が入れられるようなコストなのか。先ほど話のあったレーダーは3,000万円ということだったが…、「ハレックス」以外の金額を紹介してほしい。
回答: 12,000円/月だったと思う。そんなに高くはない。
座長: 今日の講演を聞いている参加者の中にも、地域で活用できるようなデータが手に入ったら良いと思っている方々が多いように思う。組織的にやるのが良いのか、個々の酪農家が手に入れることができるコストなのか、というような点を聞きたいと思う。
回答: コストをかけて良いかどうかは私には分からない。皆さんそれぞれに信じている天気予報会社があると思うので何とも言えない。「ハレックス」とお付き合いしているのは、いろいろな情報をもらえ、教えてもらえるので大事にしている。
質問: 酪農家個人で入るより、人数が多い方が良いのか。例えばTMRセンター単位や農協単位でデータ活用したほうが、意思統一・意思決定しやすいと思うが。どのように思うか。
回答: 私のいる農協では個人にタブレットを配布している。気候の情報をタブレットに載せることを考えたこともあるが、良いのかどうかは分からない。
質問: 浜頓別エバーグリーンでは500筆に及ぶ圃場管理をTMRセンターが一括管理されているので、播種時期や収穫時期を分散させる等の取り組みをされていると思う。リスクヘッジに通じるような取り組みがあれば紹介してほしい。
回答: リスクヘッジとして、播種では多草種混播。最近、OG(オーチャードグラス)とTY(チモシー)を混播すれば良いという方々がいるが疑問に思っている。エバーグリーンではやっていないが、再編整備事業をやっている組合員の中にはいろいろ混ぜて播種している方がいる。浜頓別は泥炭地が多いので、雨が降ると畑に機械が入れない状況がある。したがって、排水性やいろいろなことを考えて、一番作業性の良いところに一番良いものを作付けし、作業性が悪い所では敷料を作ったりしている。そこではRCG(リードカナリーグラス)が良い。
 最近は、イグサとヒエが非常に多く発生するようになり、その対応に困っている状況。
座長: それでは佐藤先生からアドバイスをお願いする。
回答
(佐藤): 

浜頓別の泥炭地については理解している。そこで一番良い草種がRCGであることも知っている。ただし、イグサとなると話は違う。鶴居で似たような畑を直したことがあるが、防除にはIR(イタリアンライグラス)を使った。牧草の中で水に一番強いのがIRで、IRを使った混播を試すよう話をさせて頂いたところ。


《会場からの質問》
座長: 気象に係る、地域での課題や悩みについて、会場の中で質問はありませんか。
質問
(佐藤先生へ): 

牧草の更新の時に、播種するタイミングが難しくなってきていると思う。先ほどフロストシーディングの話も出ていたが、フロストシーディングで播ける草種も限られると思うし、今年のような積雪が無い年にでも上手くいく方法があったら紹介してほしい。
回答: フロストシーディングはイネ科しか播けない。マメ科は低温発芽性があり、吸水して腐るので播けない。平均気温が6℃以下になっていること、冬季間7℃以上の日が3日以上続かないことが基本。農業公社は播種時期を延ばしたいため、播種床を作った後、積雪してから播いたり、融雪直前の3月に雪の上に播くこともチャレンジしている。道の指導参考では、6℃以下になって積雪までに播種することになっているが、もしかすると播種する時期が広がるかもしれない。あと1〜2年待ってもらえれば何か話せるかもしれない。今年のように雪の少ない年は地表の温度が低いので、むしろうまくいくと思う。これまでやってみて、播種時と融雪時に鎮圧をするときれいにできることが分かった。
座長: 今日の内容から、気象情報はより精度が上がってきて、我々はそれを上手に使う。気候変動は少しずつ我々の環境を変えていく中で、それに対応する手段を考えて早めに実行していく。気象情報を組織や地域で上手に活用して共有化していく。このようなことが酪農産業の今後に向けて必要になってくると感じた。
 それでは、予定の時間となったので意見交換を終了させて頂く。

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