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No.24-5「温暖化」どうなる北海道 〜温暖化の現状と、これから北海道で起こること〜 般社団法人 日本気象予報士会 北海道支部 副支部長 気象予報士  志田 昌之 氏


 気候変動2013第1作業部会報告書(IPCC第5次評価報告)によると、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また1950 年代以降、観測された変化の多くは数十年から数千年間にわたり前例のないものである。

 大気と海洋は温暖化し、雪氷の量は減少し、海面水位は上昇し、温室効果ガス濃度は増加している。
と、記されている。

 地球の温暖化とこれに伴う気候変動は全世界ですでに起きていることであり、日本も北海道も例外ではないことを、私たちは理解しなければならない。

 札幌管区気象台は、北海道のこれまでの気候変化と将来予測をとりまとめ、2017年3月に「北海道の気候変化第2版」として公開した。
 HP掲載先:http://www.jma-net.go.jp/sapporo/tenki/kikou/kikohenka/kikohenka.html

 ここには、北海道の年平均気温が100年あたりおよそ1.59℃の割合で上昇していること、日降水量70o以上の日数や1時間に30o以上の激しい雨の降る回数が増えていることなどが示され、これらは地球温暖化が主な要因であると考えられると記されている。

 北海道の冬の寒さを言葉にするとき、「今日はしばれるねー」と挨拶代わりに言われているが、今と昔では「しばれ」の感覚(度合い)もずいぶん変わり、マイナス30℃を下回ることは珍しくなってきている。また、最高気温35℃以上の猛暑日や最低気温が25℃以上の熱帯夜などの極端に暑い日も、北海道で現れるようになってきた。

 北海道の雨の降り方も変わってきている。台風が何度も北海道に上陸したり接近し大雨を降らせたり、短時間に猛烈な雨が降り突然に浸水被害が発生するなど、これまで希にしか起きなかったことが、今はいつ大雨が降っても珍しくない状況となってきている。

 この先、北海道はどうなるのか。先に紹介した「北海道の気候変化第2版」においても将来の予測が記されているが、ここでは、札幌管区気象台が、最新の知見を元にとりまとめた「北海道地方 地球温暖化予測情報 2019年3月公開」の内容を解説する。
  札幌管区気象台ホームページで全文公開中
  https://www.jma-net.go.jp/sapporo/tenki/kikou/kikohenka/pref_gwp9.html

 なお、この情報はIPCC第5次評価報告書で用いられた温室効果ガスの濃度変化シナリオのうち最も高程度の温室効果ガス排出が続くと想定した場合(RCP8.5シナリオ)の予測結果である。平たく言えば、現在人類が排出して増加中の二酸化炭素などの温室効果ガスが、今後も大きな削減に至らずに増え続けるシナリオである。

 北海道の気温の将来予測

北海道地方の年平均気温は5℃程度の上昇が予測される。
季節別では、冬の上昇幅が大きく、6℃程度の上昇が予測される。
北海道地方では、年に数日程度だった最高気温30℃以上の真夏日が年に25日程度出現することが予測される。
これまでほとんどなかった熱帯夜が年に10日程度出現することが予測される。
北海道地方の冬日の日数は現在の約3分の2に、真冬日は年に10日程度の出現になることが予測される。

 北海道の雨の降り方の将来予測

北海道地方では、大雨(日降水量100mm以上)や激しい雨(1時間降水量30mm以上)が、ほぼ毎年のように出現するようになることが予測される。

 北海道の年最深積雪の将来予測

北海道地方の年最深積雪は約40%減少することが予測される。

 まとめ

北海道においては、これまでの気候変化や将来予測において、気温の上昇、大雨回数の増加、短時間強雨の頻度の増加、最深積雪・降雪量の減少(一部地域を除く)等が見受けられる。
また、IPCC第5次評価報告書では、熱帯低気圧の発生数は減少か変わらない可能性が高いものの、中心付近の最大風速や降水量の平均は増加する可能性が高いとされている。
これらのことから、北海道においては、気温上昇による熱中症、大雨や熱帯低気圧(台風を含む)による風水害等の増加が懸念される。
現状の地球温暖化は、どれほど努力しても直ぐに食い止めることは不可能である。私たちは、未来の子供たちのために今後更に進行する温暖化を軽減させる努力と、どう対応するかの適応策についても同時に考えていかなければならない。

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