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広報「酪総研」

時の話題

No.20-5 総合討議

 

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《佐坂先生への質問》
質問: 今後PAGs検査拡大の予定はあるか。検査後、何日で結果がわかるか。
回答: もっと現場に近い場所(各事業所)で実施できないのかという質問と理解した。現在は札幌事業所に集約し検査を実施している。検査キットにロスが出ると検査費用も割高になってしまうため、現在の検体数からすると1ケ所に集約する方がメリットあると考えている。しかし検体数は増加しており、導入当初は週2回検査をしていたが今は4回となっている。今後、検体数や需要を考慮したうえで検査体制を検討する場面が出てくると思われる。また、札幌事業所に宅配便で検体を直接届けてくる組合もあり、その場合は到着日の夕方には判定できる体制にある。
質問: 乳検サンプルにおけるPAGs検査はいつ頃から開始できるのか。
回答: 今、検定サンプルで検査できないか検討をはじめたところである。現在、乳成分サンプルにてPAGs検査を行なうと検定員や我々検査側での負担がどの程度増えるかなどのシミュレーションを行なっている。そして牛群検定に使用しているタブレットを利用し対象牛を選別するなどといったところからプロトタイプを完成させ、早ければ次年度上期にモデル地域にてモデル運用を開始し、そこで問題点を解決しながら全道展開へと進めたいと考えている。
質問: 酪農検定検査協会が提案する新たな検査や手法は検査協会で研究し独自で開発したものなのか、それとも他の研究機関の研究成果を踏まえた提案なのか。
回答: 例えばPAGs検査はIDEXXや道北の農協が主体となり現地調査を行なった。またPAGs検査は海外で先行されており、従来の妊娠確認法との精度等を十分確認し、実績を踏まえ導入している。
質問: バルク乳(旬報)と乳検の乳成分はどれくらい差があるのか。また差が大きいときはどのような対応を行なうのか。
回答: サンプル採取の時差も考えられるし、サンプル採取方法の問題もあるかもしれない。サンプル採取法については検定組合とともにサンプリングの精度を確認させてもらっている。回答になったかわからないが…。
座長: これは難しい質問である。バルク乳検査は月3回実施しているが乳検は月1回である。その前後の飼養管理や気温・湿度の変化もあるので、どうしても数値の差は出てしまうであろう。
質問: 酪農検定検査協会では北海道内のDL普及に力を注いでいることと思うが、道外でDLを普及させる予定はあるか。
座長: 北海道と府県では検定事業を運営する組織が違うので一概には言えないが、横のつながりも含めて全国に波及する可能性などをお聞かせ願えれば良いかと思う。
回答: 我々は北海道の検定事業を、そして本州は家畜改良事業団が検定事業を行なっているが、扱っているデータはほぼ同じであるので、そのデータから読み取れる内容の近しいものといえる。
座長: そうすると全国のデータがリンクしさらに大きなビックデータとして活用されるといった展望も考えられるか。
回答: 農林水産省が「全国版畜産クラウド」という事業を進めている。そこにデータを一括集積しようという構想もあり、そういった動きのなかで共通ソフトなど活用できるツールも出てくるかもしれない。我々もそういった会議体に参加しているので機会をみて情報提供させて頂きたい。
質問: 農場全体の問題点を抽出するためにはDLのどのような機能を使うのが有効か。また乳検は搾乳を開始してから検定するため、分娩前の周産期疾病などのリスクが高い時期は、データを見ることができない。その場合どう対応すべきか。
回答: 牛群の状態を知るためには「カイゼンレポート」を活用し過去や地域と比較してもらうと良い。泌乳が始まっていない要注意牛の確認は「周産期レポート」に分娩予定90日以内の個体リストがあり、そのリストで潜在性ケトーシスのリスクが高い牛(過肥注意牛など)を確認することができるので、そのようなデータを使用して頂ければ良いと思う。
座長: 最後になるが「出生♀牛の分類を乳用ホル♀と肉用♀に分けて頂けるとありがたい」との要望があったのでお伝えしておく。
回答: 成績表のことだと思うが、それも今後改修の予定であり、要望頂いた内容も反映されるであろう。


《会場から粕谷先生への質問》
座長: 会場から頂いた質問票による質疑応答はこれにて終了する。終了予定時刻まであと5分あるので会場から講師への質問や要望を受け付けたい。
会場: 光コントロールは昔から言われている技術で、私も興味があり照明にタイマーを設置したりした経験がある。今日お聞きした講演内容とは切り口が違うが、私は作業時の明るさも重要と考える。例えば搾乳作業において抗生物質混入や労災などの事故を考えると最低限の明るさというものを考える必要があると思う。そこで労災や異物混入など事故と明るさ(光量)の関係を調べた調査結果などはないかお聞きしたい。
回答: 搾乳に限らず作業全般において必要な光量はあるであろう。例えば牛への効果を期待し光を暗くすることはできるが、同時に作業性も考慮しなければいけないというのはおっしゃるとおりである。
講演ではブルーライトをカットしたLEDの話をしたが、実際に使用してみると作業にはまったく支障ないが血液の色が見えないという体験をしたことがある。血液と光の波長からそのような見え方なってしまうのは仕方ないが、例えば獣医師が牛の出血箇所の確認ができないなどの支障がでるかもしれない。よって人間の作業内容も考慮しながら照明を管理する必要があると考える。
会場: 例えばブルーライト低減といった1つの有効性だけを追求するのではなく、状況や環境に併せて何種類かの照明を使い分けるべきという理解で良いか。
回答: そのとおりである。おっしゃるとおりのキメ細かい管理ができるようになれば良いと思い、我々も様々なデータを集積しているところである。
座長: 様々なファクターが含まれるなかでは、色々な取組みや経験、調査を踏まえながら技術を構築しなければならないということになる。
さて、今回のシンポジウムでは三人の先生にそれぞれの切り口から少額投資での生産性の向上についてご講演を頂いた。冒頭にも申し上げたが乳牛の行動や生理を理解し、飼養環境を整え、そのモニタリングから得られたデータを積極的に有効的に活用していく、あるいは集積されたデータから得られた知見を地域やグループに面的拡大を図っていくことが重要ではないかと考える。
お陰様をもって今回は経営改善に向け前向きな質疑応答をさせて頂いた。このことは皆様の今後の業務にも大いに参考にして頂けるかと思う。
まだ質問もあるかと思うが、時間となったので意見交換を終了させて頂く。

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